
空家のリスクについて【vol.3】
空家のリスクについて Vol.3

空家のリスクを回避するには?
~「所有者から外れる」という選択肢~
前回のVol.2では、空家を放置することで、
建物の倒壊や落下による事故
第三者への損害賠償責任
行政代執行による解体・撤去と、その費用負担
など、さまざまなリスクが生じる可能性についてご紹介しました。
では、空家を今後使用する予定がなく、
「管理し続けるのが難しい」
「遠方に住んでいて、定期的に管理できない」
「これ以上、空家を所有し続けることに負担を感じている」
という場合には、どうすればよいのでしょうか。
その方法のひとつが、
「所有者から外れる」
という選択です。
所有者である限り、空家の管理や固定資産税など、さまざまな負担が続きます。
そのため、今後使用する予定のない土地や空家については、「このまま所有し続けるのか」ではなく、「所有者から外れる方法はないのか」を考えてみることも大切です。
今回は、所有者から外れる方法のひとつである、「相続土地国庫帰属制度」について、できるだけ分かりやすくご紹介します。
■ 所有者から外れるという選択肢
空家を所有していると、
固定資産税などの税金
建物や土地の管理
修繕や草木の手入れ
近隣への対応
など、さまざまな負担が発生します。
特に、相続によって遠方の土地や空家を取得した場合、
「自分は住んでいないのに、管理しなければならない」
という状況になることもあります。
そんなときに考えられるのが、
「所有者から外れる」
という方法です。
その方法のひとつとして、令和5年4月から始まったのが「相続土地国庫帰属制度」です。
■ 相続土地国庫帰属制度とは?
相続土地国庫帰属制度とは、簡単にいうと、
相続や相続人への遺贈によって取得した土地を、一定の条件のもとで国に引き渡すことができる制度
です。
例えば、
「親から土地を相続したけれど、使う予定がない」
「遠方にある土地なので管理が難しい」
「今後も利用する予定がなく、所有し続けることに負担を感じている」
といった場合に、選択肢のひとつとなります。
ただし、
「不要な土地なら、どんな土地でも国が引き取ってくれる」
という制度ではありません。
ここが非常に重要なポイントです。
■ 誰でも利用できる制度ではありません
相続土地国庫帰属制度は、誰でも利用できるわけではありません。
原則として、
相続や相続人に対する遺贈によって土地の所有権を取得した相続人
が申請できる制度です。
そのため、
「自分で購入した土地が不要になったから、国に引き取ってもらいたい」
という場合には、この制度を利用することはできません。
また、共有地の場合には、相続等によって持分を取得した相続人を含め、共有者全員で申請する必要があります。
■ 国が引き取れる土地には条件があります
相続した土地であれば、どんな土地でも国が引き取ってくれるわけではありません。
例えば、
・建物が建っている土地
・担保権などが設定されている土地
・境界が明らかでない土地
・所有権の範囲について争いがある土地
・土壌汚染がある土地
・他人が使用することが予定されている土地
などは、国庫帰属の対象外となります。
また、一定の条件に該当する崖や、管理を妨げる工作物・樹木などがある土地についても、承認されない場合があります。
つまり、
「相続したけれど不要だから、そのまま国に渡せばいい」
という簡単な制度ではありません。
■ 空家が建っている土地はどうなる?
空家を所有している方にとって、特に注意したいのがここです。
相続土地国庫帰属制度では、建物が存在する土地は申請することができません。
そのため、
「古い空家が建っている土地を、そのまま国に引き取ってもらう」
ということはできません。
国庫帰属制度を利用する場合には、原則として建物を解体するなど、土地を国庫帰属の対象となる状態にする必要があります。
つまり、
空家を解体する費用
土地の状態を整えるための費用
などが必要になる可能性があります。
■ 国庫帰属には費用がかかります
「国に土地を引き取ってもらう」と聞くと、
「無料で手放せるのでは?」
と思う方もいるかもしれません。
しかし、相続土地国庫帰属制度では、申請時に審査手数料が必要です。
さらに、国庫帰属が承認された場合には、10年分の土地管理費相当額として「負担金」を納付する必要があります。
審査手数料は、土地1筆につき14,000円です。
負担金については、土地の種類や所在する地域などによって異なり、基本的に20万円となる土地もあれば、面積に応じて算定される土地もあります。
そのため、
「国に引き取ってもらえば、お金をかけずに手放せる」
というわけではありません。
■ 申請すれば必ず国が引き取ってくれる?
こちらも注意が必要です。
相続土地国庫帰属制度では、申請後に法務局による審査が行われます。
土地の状態などについて確認され、一定の要件を満たした場合に、法務大臣の承認を受けることで国庫に帰属します。
実際に、令和8年7月31日時点で、制度開始以降の申請は5,863件、帰属件数は3,008件となっています。却下・不承認となったケースもあります。
そのため、
「申請すれば必ず引き取ってもらえる」
とは考えず、土地が制度の対象になるのかを事前に確認することが大切です。
■ 相続土地国庫帰属制度を利用するときの注意点
ここまでご紹介したように、相続土地国庫帰属制度は、不要な土地を手放すための選択肢のひとつです。
ただし、
相続した土地であること
一定の条件を満たしていること
建物がないこと
審査手数料や負担金が必要になること
など、いくつかの条件があります。
特に空家の場合は、
「建物を解体してからでないと申請できない」
という点が大きなポイントです。
そのため、空家を所有している場合には、国庫帰属だけでなく、売却など別の方法も含めて比較することが大切です。
■ 空家を所有し続けることが負担になっているなら
空家は、所有しているだけでも管理が必要です。
「今は問題ないから」とそのままにしていると、建物の劣化が進み、将来的に修繕費や解体費などの負担が大きくなる可能性があります。
だからこそ、
「いつか考えよう」
ではなく、
「今後この空家をどうするのか」
を早めに考えることが大切です。
■ まずは「自分の空家はどうするのか」を考える
空家を今後も使用する予定があるのであれば、適切に管理しながら所有する方法もあります。
一方で、
「もう使う予定がない」
「管理する人がいない」
「遠方にあって管理が難しい」
という場合には、所有者から外れる方法を検討することもできます。
相続土地国庫帰属制度だけでなく、売却という方法もあります。
どの方法が適しているかは、土地や建物の状態、相続の状況などによって変わります。
だからこそ、まずは、
「この空家を今後どうしたいのか」
を考えてみることが第一歩です。
■ バージョンes株式会社が選ばれる理由
当社は、空家買取専門担当者が、お客様の空家について一つひとつ状況を確認し、ご相談をお受けしています。
空家は、
「古いから売れない」
「荷物が残っているから無理」
「建物を解体しないと売れない」
など、物件によってさまざまな事情があります。
だからこそ、単純に「売れる・売れない」だけではなく、
「どうすれば所有者様の負担を減らせるのか」
という視点から査定・ご提案を行っています。
独自の販売ルートを活用し、売主様の費用負担やリスクをできるだけ抑えながら、「負担を減らす」だけではなく「資産として活かす」方法も含めてご提案します。
「国庫帰属制度を利用できるの?」
「空家を解体してからでないと手放せない?」
「この状態でも売却できる?」
そんな疑問も、まずはお気軽にご相談ください。
次回はいよいよ最終回です。
次回のVol.4では、今回ご紹介した「所有者から外れる方法」のもうひとつの選択肢である、「売却」について詳しくご紹介します。
不動産会社や個人に売却する場合、どのような違いがあるのか。
また、空家を売却するときに知っておきたい「契約不適合責任」とはどのようなものなのか。
さらに、不動産会社による買取という方法についてもご紹介します。
空家のリスクについて、最終回となるVol.4もぜひご覧ください。
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